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【A群 問題01〜05】

板金加工技能講座

演習問題18(安全衛生) 解答解説

[A群(真偽法)]


問題01. 安全衛生の目的は、職場に於ける災害の未然防止と安心して働ける環境作りである。
[解答]
[解説] 我々が快適な職場生活を送るためには、職場で発生する災害を未然に防止し、安心して働ける環境を作る事が必要で、一人一人が日々考えなくてはならない課題(問題)です。

問題02. 安全の三原則とは、「整理・整頓」「点検整備」「標準作業」の事をいう。
[解答]
[解説] 安全を確保するための基本的な命題は、安全の三原則を守るという事です。その三原則とは、
  1. 整理・整頓

    整理とは、要るものと要らないものとを区別し、要らないものは捨てる事で、整頓とは、物の置場所、置き方をハッキリ決めておき、必要なものがいつでも取り出せる様にしておく事をいいます。
    整理・整頓は「安全の母」ともいわれたり、又、「安全は整理・整頓に始まり、整理・整頓に終わる」ともいわれています。

    最近は「整理・整頓」を含め4S運動とか5S運動を実施する会社が多く見られますが、これらは安全衛生を図る運動だけでなく、生産管理の基礎ともなり得るものです。かんばん方式の生産管理も「整理・整頓」から始めるといわれています。5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾(規律)の事をいいます。

  2. 点検整備

    点検整備とは、職場の施設、機械設備、器具・工具等を定期的に点検し必要な整備を行って、常に安全な状態に保つ事をいいます。これは、設備等が故障や破損をする前にあらかじめ手を打ち、これらを防止するいわゆる「予防保全」の事をいっています。この点検整備を通じて、より安全な「本質的安全化対策」を進める様にしたいものです。

  3. 標準作業

    標準作業とは、あらかじめ標準的な作業のやり方や手順を決めておき、これに基づいて作業を進める事をいます。楽に、早く、安全な作業の方法や作業の手順を研究し、標準作業を確立しておく事は、労働災害を防止する上できわめて効果のある事です。
これらの「安全の三原則」を職場に徹底させる事によって、労働災害は防止する事が出来ます。

問題03. 労働衛生の三管理とは、「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」の事をいう。
[解答]
[解説] WHO(世界保健機構)では、労働衛生の目的について、次の様に述べています。

(1) あらゆる職業に従事する人達の肉体的、精神的、及び、社会的福祉を最高度に増進し、且つ、これを維持させる事。
(2) 作業条件に基づく疾病を防止する事。
(3) 健康に不利な諸条件から雇用労働者を保護する事。
(4) 労働者の生理的・心理的特性に適応する作業環境にその作業者を配置する事。

これらをふまえて、労働衛生は、職業性疾病の予防とあわせ、更に、健康的な労働の場を作り、労働者のより高い健康状態を確保することを目標としています。
職場の作業では、作業環境や作業の内容によって束縛され、色々制約を受ける事があり、健康を維持する事は難しいものです。もともと健康は与えられるものではなく、自らが作るものであり、自分の健康は自分で管理しなければなりませんし、職場に於ける労働衛生管理の重要性があるわけです。
労働衛生管理は、管理体制の確立や教育の実施とあわせて、「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」の三つの重要な分野があり、これを労働衛生の三管理と呼んでいます。
  1. 作業環境管理

    作業場の環境には、一般的な通風換気、照明といった問題の他に、化学的因子(有害化学物質、粉塵等)、物理的因子(温熱、放射線、騒音等)をはじめ、色々の有害因子があって、そこで作業をしている従業員の健康に有害な作用を及ぼしたり、健康状態を悪化させたりする場合があります。
    その様な事がない様に、主として工学的な対策によって、作業場の環境から有害因子を除去し、良い作業環境を維持する事が作業環境管理です。
    主要な工学的対策としては、次に示す様な事項があります。

    1. 使用する原材料等について、その有害性の有無を事前に調べ、無害なものや、もっと毒性の少ないものに変更する。
    2. 有害物の発散源に局所排気装置を取り付けるとか、遠隔操作方式で取り扱う等をして、作業者が有害物の影響を受けない様にする。
    3. 粉体の有害物について、湿式化、湿潤化により粉塵の発散を抑制する。

  2. 等が挙げられます。

  3. 作業管理

    作業環境管理によって、平均的には良く管理されている作業環境の中でも、個々の作業者の作業動作や作業姿勢が不適切であれば、労働災害を受ける事があります。
    例えば、シンナ−で製品に付着した油を拭き取る作業で、その作業者だけが高濃度の有機溶剤蒸気を吸入するという事態が起きる事があります。

    この様な事に対して、有効な作業標準の設定や教育の実施、更には、個別的な作業方法の指導等によって、適正な作業動作、機器の取扱い、保護具の使用方法等を習得させ、有害因子に対する過度の労働災害を防止するといった事をやる事が作業管理です。

  4. 健康管理

    有害因子に対する労働災害量と健康影響の間には「量−反応」の関係があり、更に、生体影響の現れ方には個体差があります。従って、作業環境管理、作業管理を行っても、特に敏感な作業者が健康に悪い影響を受ける可能性は残されていますので、注意しなければなりません。

    この要な敏感な作業者の健康障害を防止するためには、医学的検査等の手段による健康管理を行う事が大切です。健康管理の方法としては、有害因子に先天的に過敏と考えられる作業者や、持病や既往症などで影響を受けやすいと考えられる作業者を就労させない様にする事ですが、そのために就業時には特別健康診断を行う必要があります。

    又、人体の有害因子に対する感受性(抵抗力)は、常に一定不変ではないので、就業後に健康影響が現われる事があります。
    この様な影響を早期に発見して適切な医学的措置を取るために、定期的な特別健康診断を実施する必要があります。

    その他、健康には、私生活上の影響や加令現象による影響等もありますので、有害業務従事者はもちろん、すべての作業者について、雇入時、及び、定期に一般健康診断を行う必要があります。
    以上、記述した事が健康管理といわれています。

問題04. 労働者の健康管理のための健康診断は、労働安全衛生法に規定されていない。
[解答]
[解説] 働く人の健康を維持し、更に、向上させる健康管理は、労働衛生管理の中でも重要な部分を占めており、労働安全衛生法には、労働者の健康管理ため、作業環境の維持管理と測定、健康診断、病者の就業禁止、健康維持増進のための便宜供与等の規定があります。
  1. 表1 作業環境の測定を行うべき作業場

    表を拡大する
    作業環境測定

    作業環境の有害要因による労働者の健康被害防止のため、作業環境測定の実施が法定化されており、作業環境測定を行った結果についても作業環境評価基準に従い評価を行い、健康保持のため必要とされる措置を講ずる様定められています。
    環境測定を必要とする作業場、測定回数、評価を必要とする作業場について、表1に示します。

    作業環境測定を行う場合には、その目的や方法により次のようなものがあります。

    1. 作業環境における有害要因を一定の水準以下に管理するための測定
      労働者の作業に伴ってばく露される平均的ばく露を減少させるために行う測定で法規により定期的に行うことになっています。又、特に定められた有害作業場については、作業者の行動範囲や有害物の発生・拡散状態等を考慮して、登録を行った作業環境測定士、又は、作業環境測定機関による測定が義務づけられています。

    2. 必要により随時行う測定
      新しい設備の導入や原材料、生産方法、作業方法等の変更に伴って、有害性の予測や環境改善等の結果の効果を確認したり、評価するために行うものです。

    3. 表2 事務所の衛生基準

      表を拡大する
      健康診断の結果等から作業環境を再検討するための臨時に行う測定
      健康診断の結果をより正確に評価したり、作業環境の実態や特定の労働者の個人的ばく露量等を再検討する必要が起こった場合、臨時に行う測定です。

    4. 局所排気装置の性能を点検するための測定
      特定化学物質や鉛化合物等を取扱う作業でフ−ド周辺における空気中の濃度を測定して、局所排気装置の性能を評価するための測定です。

    又、作業現場ばかりでなく、事務所の環境測定の基準も建築基準法と共に規定されています。事務所の衛生基準について、表2に示します。

  2. 健康診断

    働く人の健康を維持し、さらに向上させる健康管理は、労働衛生管理の中でも重要な部分を占めています。特に健康診断は職業性疾病の予防や成人病対策等健康管理の中心的役割を果たすものであり、事業者に対して業務の内容に応じた健康診断を実施することを義務づけています。
    表3 労働衛生法規に定められた健康診断の概要一覧表

    表を拡大する
    又、労働安全衛生規則、有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則は、平成元年6月30日の改正に伴い、一般健康診断、有機溶剤健康診断、及び鉛健康診断の充実が図られるとともに、海外派遣労働者に対する健康診断が新たに設けられました。
    次に労働衛生法規に定められた健康診断の概要一覧表を示します。

  3. 病者の就業禁止(労働安全衛生規則第17条)

    事業者は、伝染病の疾病、その他一定の疾病にかかった労働者に対し、その就業を禁止しなければなりません。

問題05. 通常の生活態度や生活環境は、労働災害の背後要因にはならない。
[解答]
[解説] 職場で発生する労働災害(怪我や事故)の原因には、夜ふかし、睡眠不足、家庭内のいざこざ、通勤途中の疲労等、職場以外の生活環境から持ち込まれる場合が少なくありません。
これで判る様に、我々 24時間の生活は、全て職場の安全衛生につながりを持っています。従って、常に正しい生活態度や生活環境を保つ様に心掛ける事が必要です。又、労働災害の発生は、通常の生活態度や生活環境だけでなく、職場の作業環境の中でも、それなりの背後要因(発生要因)が潜んでいます。
背後要因と災害防止対策

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例えば、
  • ロ−プが切れて吊っていた物が落下し直撃された。
  • 機械の回転部に接触して手を巻き込まれた。
  • 操作ボタンを押し間違えて機械に挟まれた。
  • 運転ミスをして構造物に撃突し打撲傷を受けた。
  • 高濃度の有毒ガスを吸引して急性中毒を起こした。
  • 高所で作業をしていて足を滑らせ転落した。
等が挙げられますが、これらの災害の直接原因の背景には、それなりの背後要因が潜んでいます。然るに、これらの背後要因を適確に捉え、その要因を取り除くための有効な対策を講じなければ、労働災害を無くす事は出来ません。
次表に、一般的に言われている、労働災害の背後要因とその災害防止対策を示します。

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