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 ― 解答・解説 ―    A群(真偽法)
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【A群 問題01〜05】

板金加工技能講座

演習問題11(曲げ加工金型) 解答解説

[A群(真偽法)]


問題01.

板金を90°に曲げる場合のダイのV溝角度は、V溝の幅によって変更する。

[解答]
[解説] 板金を90°に曲げる場合のプレスブレ−キ金型は、最も標準化が進んだ金型で、パンチやダイの種類も多く、図に示す様な標準仕様で管理されています。


板金を90°に曲げる場合の金型を選択するには、次に示す様な事項を参考にすると良い結果が得られます。
@ 90°に曲げる場合のダイのV溝角度は、V溝の幅によって変える。
  
A ダイのV溝幅(V)は、板厚、フランジ長さ、製品の内ア−ル等によって選定する。
標準の2Vダイには、4×7、6×10、8×12、14×18、12×20、16×25、
標準の1Vダイには、6、8、10、12、14、32、40、50、63、80、100、125、160、200、250等があります。
B パンチ先端角度(theta)は、ダイV溝角度と同等にする。
スプリングバックを防止するためには、ダイV溝の角度を90°にして、パンチ先端角度を88°にしたパンチを選定する場合があります。又、ダイV溝幅が 32mm 以上の場合には、 パンチ先端角度を60°にしたパンチを用いる場合もあります。
C パンチ先端ア−ル( rp )は、一般に、製品の内ア−ルよりも小さいものを使用する。
パンチ先端ア−ルの標準寸法は、最小が 0.2mm で、順次 0.6、0.8、1.5、3.0、6.0、10、17.5、20.0、25.0、30.0等があります。
D ダイV溝の肩ア−ル( rd )の大きさは、製品の傷の深さに関係する。
傷を防ぐためには、ダイV溝の肩ア−ルを rd ≧ t1.7 としますが、ダイV溝の中心から端面までの距離が長くなり、逆曲げ(クランク形状の製品)の場合、最小段差が大きくなるのは避けられません。
E 薄板用のダイは、自動調心タイプを用いる。
自動調心タイプのダイの心出しは、ダイをダイホルダ上に載せ、パンチに倣って前後方向に自由に動く様にしておき、パンチをセットし加圧すると、ダイはパンチに倣って心出しが出来ます。心出し後は、ボルトでダイをしっかりと固定します。又、4.5mm 以上のワ−クの曲げ加工(90°V曲げ)を行う場合には、固定タイプのダイでも、良い精度を得る事が出来ます。
F 必要以上に逃げ部の大きなパンチは使用しない様にする。
これを怠りますと、パンチが変形して精度不良が発生したり、破損する恐れがあります。パンチの逃げ部は、製品の形状に合わせて作図した上で決定しますが、作図の後の強度計算によるチェックを十分に行い、破損しない様にしなければなりません。
G 配電盤や分電盤の様な箱状の製品を曲げ加工する場合には、分割金型を用いる。
箱状の製品を曲げるには、パンチを曲げ長さに合わせなければなりませんので、分割金型を組み合せて使用します。標準分割パンチには、10、15、20、40、50、100、200 があります。

以上の様な事項が挙げられますが、90°曲げを行う場合には、曲げ形状や板厚によって、金型(パンチとダイ)の組み合せを選定しなければなりません。次に代表的な 90°曲げを行う時の金型の組み合せを示します。


問題02. V曲げ金型のパンチ先端ア−ルが板厚に対し、大きい場合には、スプリングゴ−、小さい場合には、スプリングバックが発生する。
[解答]
[解説] 90°V曲げ加工で発生し易い現象に、スプリングバックとスプリングゴ−がありまます。スプリングバックとは、V曲げの最終工程で、加圧力を開放した時に、曲げた角度よりも開いて(大きくなる)しまう状態の事をいい、スプリングゴ−とは、曲げた角度よりも小さい角度になる状態の事をいいます。これらは、板厚、パンチ先端ア−ル、ダイのV溝幅、曲げ角度、加圧力等によって異なりますが、最も大きく影響されるものが加圧力です。同一素材で、曲げ半径が同じであるならば、板厚の薄い程スプリングバック量は大きくなり、パンチ先端ア−ルが板厚に対して大きいとスプリングバックになり、小さいとスプリングゴ−になります。これらは、材質ごとに板厚に対し、適切なパンチ先端ア−ルを選定すれば防止する事が出来ます。又、ダイのV溝幅が一定の場合には、板厚が厚ければ、パンチ先端ア−ルを小さくします。極端にダイV溝幅が狭く、パンチ先端ア−ルが大きい場合には、スプリングバック量は大きくなります。スプリングバック量を減少させる方法としては、図に示す様にダイのV溝幅を 90°にして、パンチ先端角度をダイV溝の角度よりもやや小さく( 88°)したり、パンチ先端部を僅かに突き出したパンチ(ビ−ド付きパンチ)を用い、曲げ部に荷重を集中させ、パンチ先端を食い込ませるセミコイニング状態で、加工する様にします。


問題03. V曲げヒンジドタイプ分割金型は、フランジのある形状(袋曲げの製品)の曲げ加工に用いる。
[解答]
[解説] V曲げヒンジドタイプ分割金型は、図に示す様な形状をした金型で、分電盤や配電盤、それらの扉等の袋状の製品を曲げ加工する時に、パンチの両端に固定して用いる金型です。
図に示す様な袋状の製品を曲げ加工する場合には、曲げ製品の長辺の曲げ長さに、パンチ長さを両端にヒンジドタイプ分割金型を含む長さにして合せ、固定します。まず、短辺から曲げ、次に長辺を曲げる時に、曲げられた左右フランジ部分の干渉を避け、両端のヒンジドタイプ分割金型の耳部分が曲げ線のコ−ナいっぱいに入り込む事が出来ますので、長辺の曲げ精度を維持することが出来ます。金型からの取り出しは、袋状に加工された部分に耳部が挿入され、曲げ加工が完了していますので、製品をその位置から直下に下げると、図の仮想線の様に耳部が下がり、袋曲げされた部分から簡単に抜き取る事が出来ます。これで判る様に、曲げヒンジドタイプ分割金型を使用すると、金型から製品を取り出すハンドリング時間が大幅に短縮されますので、作業能率を向上させる事が出来ます。

問題04. R曲げは、スプリングバックの影響は小さく、多段折れ減少は発生しない。
[解答]
[解説] 一般に、曲げ内ア−ル( iR)と板厚(t)の比が大きい曲げは、スプリングバック量が大きく、条件によっては多段折れが発生します。つまり、R曲げはスプリングバックの影響が大きく、多段折れ現象の発生し易い曲げ加工といえます。又、R曲げのスプリングバック量は、素材の最大引張り強さや金型のタイプによって、大きく影響されます。次表にエアベンディングによる、材質SPCCの曲げ内ア−ルと板厚に対する、スプリングバック量とパンチア−ルの値を示します。

表の値を1とすると、SUSでは1.5倍、アルミニウム、銅、真ちゅう等の非鉄金属では0.5倍となります。又、この表はエアベンディングの値ですから、エアベンディングを1とすると、総型のボトミング金型を使用した場合には、0.5倍、ウレタンツ−ルを使用した場合には、2/3倍のスプリングバック量になります。例えば、SUS304、板厚1mm、製品内ア−ル20をウレタンツ−ルで曲げる時のスプリングバック量(Δtheta)は、
となり、スプリングバック量(Δtheta)は、9°となります。曲げ内ア−ルと板厚の比が大きい曲げ加工では、図に示す様に、曲げ加工の経過中にワ−クがRパンチの先端部から離れる現象が見られ、曲げが先行し、その部分が浅く折れ曲がり、更に、曲げが進行すると、その位置を中心にして左右に折れ曲がりが伝わり、多角形状のゴツゴツしたア−ル面となります。これを多段折れ現象といい、板厚と製品内ア−ルの比が大きい程発生し易く、材質の引張り強さが大きいか、延性の大きい材料程発生しにくいものです。多段折れ現象の発生し易い板厚と曲げ内半径は、表の太線枠内の条件が合致した時で、これを防止するには、スプリングを用いたカウンタ−ホルダやウレタンパッド等の弾性体を用い、ワ−ク下部からカウンタ−圧力をかけて、ワ−クがRパンチの先端部から離れない様にして、曲げが先行しない様にします。

問題05. R曲げカウンタ−ホルダ−は、多段折れ防止を考慮した曲げア−ルの大きい製品の曲げ加工に適している。
[解答]
[解説] カウンタ−ホルダ付きR曲げ金型は、図に示す様に、ダイの底部中心にウレタンのカウンタ−ホルダを設け、パンチ先端ア−ルに、外力によってワ−クが常に押し付けられ、曲げを進行させて行く様にした構造をしています。又、ダイのV溝角度をアンバランスにすると、深いU字形の折り曲げ加工も出来、応用範囲の広い金型です。


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